- 1 暗号資産(仮想通貨)の確定申告の概要
- 2 暗号資産(仮想通貨)の確定申告の損益計算
- 3 暗号資産(仮想通貨)の確定申告書の作成
- 4 暗号資産(仮想通貨)の確定申告の納税
- 5 暗号資産(仮想通貨)の確定申告のまとめ
暗号資産(仮想通貨)の確定申告の概要
暗号資産(仮想通貨)の確定申告とは?
暗号資産(仮想通貨)の所得が年間20万円を超える場合は、課税対象となり総合課税の雑所得として税務署に申告する必要がございます。
その年の1月1日〜12月31日までの1年間に得た所得金額と所得納税を計算し、お支払いする納税がある場合には、その翌年の2月中旬から3月15日までの期間中に、確定申告書を税務署に提出して納税額を納付します。
納税する必要があるのに納税を怠ると、税務署に見つかった際厳しいペナルティを受けますので、納税額は必ず期日までに納付しましょう。
確定申告の必要な人
会社員や公務員などの給与所有者の方は、給与の支払者が行う年末調整によって所得税額が確定し、納税を行いますので確定申告をする必要はございませんが、給与所有者の方も下記条件に当てはまる方は確定申告をする必要がございます。
給与収入が年間2,000万円を超える人
給与所得や退職所得以外の所得金額(暗号資産による所得を含む)の合計額が20万円を超えている人
給与を2ヶ所以上からもらっている人
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用を受ける人(初年度のみ確定申告が必要)
雑損控除、医療費控除、寄付控除の適用を受ける人(ただしワンストップ特別制度により、ふるさと納税の場合で寄付先が5自治体以内であれば確定申告は不要)
配当控除の適用を受ける人
同族会社の役員などで、その同族会社からの給与以外に貸付金の利子や資産や賃貸料を受けている人
暗号資産(仮想通貨)の確定申告の流れ
年間の損益額の計算→確定申告書の作成・提出→納税
年間の損益額の計算
確定申告が必要か不要かを判断するために暗号資産(仮想通貨)取引で得た年間の損益額を計算します。
損益計算の方法は移動平均方法と総平均方法の2種類ありますので、どちらかを任意で選択して計算します。
計算方法は1度選択すると原則3年間は変更できませんので、最初にそれぞれの計算方法の特徴を確認して、損益計算を行いましょう。
また国税庁が提供している手動の計算書か自動計算ツールを導入して算出するかは自由になりますが、自動計算ツールの方が簡単に損益計算ができるので、自動計算ツールのご利用をおすすめします。
確定申告書の作成・提出
損益計算をして損益額を確認したら確定申告書を作成します。
国税庁が提供している確定申告書等作成コーナーのe-Taxを利用すればwebで確定申告書の作成・提出が可能です。
PC以外にもスマートフォンでも手軽に作成できるようになっております。
マイナンバーカードをお持ちであれば、マイナポータルからも作成できますので、事前に連携しておくと便利です。
また確定申告ソフトなどであれば簡単に確定申告書が作成できますので、確定申告ソフトのご利用もおすすめします。
納税
確定申告書を提出すると納税金額が確定しますので、期限までに納税します。
確定申告提出日は2月中旬から3月15日となっており、納税期日も確定申告の提出期限と同じ3月15日です。
暗号資産(仮想通貨)の確定申告の損益計算
移動平均法
暗号資産(仮想通貨)を購入するたびに取得価額を算出する方法
100万円(1回目の時価)+100万円(2回目の時価)÷2(1,2回目の購入数量)=100万円
200万円(売却時価)−(100万円(取得価額)×1BTC(売却数量))=100万円(損益額)
暗号資産を購入するたびに取得価額(単価)を算出するので計算が手間です。
移動平均法を利用して損益計算を行うと実績値が近い結果になります。
年度中に損益計算ができるため、事前に所得額や納税資金を把握できるので準備が行いやすいです。
総平均法
年間の購入金額合計を購入数量合計で割って算出する方法
100万円(1回目の時価)+100万円(2回目の時価)+200万円(3回目の時価)÷3(1,2,3回目の購入数量)=133万円
200万円(売却時価)−(133万円(取得価額)×1BTC(売却数量))=67万円(損益額)
年度内のすべて取引を一度で計算できるため計算が簡単です。
総平均法を利用して損益計算を行うと実績値が移動平均法より遠い結果になります。
年度が終わらないと損益計算ができないので、納税資金の準備が行いにくいです。
国税庁の計算書のダウンロード方法
国税庁→暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について
※暗号資産交換業者から送付される年間取引交換書を利用して計算する場合には、総平均法用をご利用ください。
オススメ自動計算ツールの紹介
暗号資産の損益計算サービス「Gtax」
お使いの暗号資産交換業者から取得できる年間取引交換書のデータをUPするだけで、簡単に損益計算ができるので便利です。
暗号資産(仮想通貨)の確定申告書の作成
国税庁の確定申告書等作成コーナー経由のe-Taxで提出
確定申告書作成システム「確定申告書等作成コーナー」
画面の案内に従って金額等を入力することにより確定申告書等が作成できるシステム。
e-Taxで提出
国税電子申告・納税システム「e-Tax」
作成した申告等データをインターネットを通じて送信することにより申告や申請ができるシステム。
PC以外にもスマートフォンからでも申請可能です。
マイナポータル経由のe-Taxで提出
マイナンバーのアプリで確定申告に必要な書類をオンラインで取得してe-Taxと連携することで申請できるシステム。
確定申告ソフトで提出
確定申告ソフト「freee」
◯×形式の質問に答えるだけで簡単に確定申告書が作成できるソフト。
暗号資産(仮想通貨)の確定申告の納税
確定申告の納税方法
振替納税で納付
e-Taxで納付
クレジットカードで納付
コンビニエンスストアで納付
窓口で現金で納付
確定申告の延納
納税期日に納付することが難しい場合は、確定申告書の延納届出欄に記載することで、納税期日を延期することが可能です。
納税額の2/1以上の金額を納税期日に支払い、残りの金額を5月31日までに納付します。
納税の支払いが遅れた場合
納税期日に支払いが遅れた場合、納税期日の翌日から納税日までの延滞税がかかります。
暗号資産(仮想通貨)の確定申告のまとめ
会社員や公務員の方は、暗号資産の所得が20万円を超えると確定申告が必要になりますが、扶養家族の専業主婦や学生、フリーランスの方などは所得金額の条件も変わってきますので、ご自身の所得金額の上限を把握して、確定申告が必要か不要か確認しておきましょう。
損益計算には移動平均方法と総平均方法の2種類ございますので、どちらか任意で選択して計算するのですが、一度選択すると計算方法は原則3年間変更できませんのでご注意ください。
手動計算だと手間なので自動計算ツールを導入して計算することは推奨いたします。
損益額を把握して確定申告が必要な場合は、確定申告書を作成します。
確定申告書は国税庁が提供している確定申告書作成コーナーやe-Taxで作成できます。
作成方法はPC・スマホどちらでも可能です。
マイナンバーカードを所有している方はマイナポータル からも作成可能ですので、マイナポータルにログインできる状態にしておくと便利です。
また簡単に確定申告書が作成できる確定申告ソフトなどもございます。
確定申告書を作成後、確定申告書提出期限までに提出して、納税額を期日までに納付すると確定申告の対応は完了です。
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今回は暗号資産(仮想通貨)の確定申告についてご説明します。
確定申告の流れや作成方法をまとめておりますので、確定申告の作成にお役立ちできれば幸いです。