- 1 DEXの概要
- 2 DEX(分散型取引所)一覧
- 3 DEXの特徴
- 4 DEXのメリット
- 5 DEXのデメリット
DEXの概要
DEXとは?
暗号資産(仮想通貨)をユーザー同士で直接売買できる管理者がいない交換業者です。
DEX(デックス)は「Decentralized Exchange」の略語で、「分散型取引所」という意味になります。
一般的に主流の暗号資産(仮想通貨)の交換業者が管理しているCEX(取引所)に対して、管理者がいない取引所がDEX(分散型取引所)です。
イーサリアムのブロックチェーンのスマートコントラクトを活用することで、自動取引が可能となり管理者が不要でも取引を成立させています。
現在国内にDEXはないため、DEXで取引するには海外のDEXを活用する必要がございます。
DEXの歴史
2017年のICOブームで様々なトークンが誕生したことで売買する機会が増え多数のDEXが誕生しました。
同年高いレバレッジ取引ができるDEX「dYdX(ディーワイディーエックス)」がローンチしました。
この時期のDEXは課題が多く利便性が悪かったのですが、2018年に現在大手DEX「Uniswap(ユニスワップ)」が誕生し利便性も良く主要のDEXとなりました。
2020年
2020年に入りDeFiが盛り上がりを見せそれに合わせてDEXの需要も増加し取引高も増加しました。
この時期多数のDEXが誕生しており、大手取引所のBinance(バイナンス)が開発したブロックチェーンBNB Chainを活用したDEX「PancakeSwap(パンケーキスワップ)」、ステーブルコインの取引を効率的に行えるDEX「Curve(カーブ)」、ドルや日本円など法定通貨が使えるDEX「SushiSwap(スシワップ)」がローンチしました。
2021年
2021年に入りさらにDEXの取引高が増加しました。
DEXの中でもUniswapが牽引しており、次にSushiSwapの状況になります。
同年芝犬をモチーフにした暗号資産(仮想通貨)ドージーコインに特化したDEX「DogeDEX(ドージーデックス)」がローンチしました。
DEXの現状
DEXの需要は以前より高まり取引高も増加して急成長しています。
その背景としては従来から発生しているハッキング被害のリスクに加え、近年発生した世界シェア2位のCEX「FTXトレーディング」の経営破綻による顧客の暗号資産の返金問題やSEC(米証券取引委員会)が海外の大手CEX「Binance(バイナンス)」と「Coin base(コインベース)」を証券法違反の疑いで提訴などCEXでの利用に不安を抱いたユーザーや投資家がDEXに移行し取引高が増加しました。
2022年
2022年にはバハマに拠点を置く世界シェア2位の暗号資産取引所のFTXトレーディングが経営破綻したことでCEXの信頼度が下がり、CEXからDEXにユーザーが流れDEXの需要が高まりました。
2023年
2023年にはシリコンバレー銀行が経営破綻したことによりステーブルコインへの不安も高まり、FTXトレーディングの破綻時同様にDEXにユーザーが流れました。
DEXの需要性が高まり取引高も増加しておりますが、全体ではまだまだ主要な取引所はCEXになります。
DEXを利用するためには暗号資産(仮想通貨)のウォレットの所有や国内ではDEXが存在せず海外のDEXを利用するなど一定の暗号資産の知見が必要になり一般層にはハードルが高いため、CEXを利用するユーザーが多いです。
DEX・CEXは競合でもありますが、それぞれメリット・デメリットがあり双方を補完する状態になっておりますので、ユーザーのリテラシーや状況に応じて双方の取引所を選択できる状態で良いと思います。
またバイナンスなど複数の大手CEXがDEXのサービス開始や開発を行っており、DEXの必要性を感じておりますので今後はハイブリッド形式の取引所も誕生する可能性も高いと思います。
DEX(分散型取引所)一覧
dYdX
公式サイト:https://dydx.exchange/
Uniswap
公式サイト:https://uniswap.org/
PancakeSwap
公式サイト:https://pancakeswap.finance/
Curve
公式サイト:https://curve.fi/#/ethereum/swap
SushiSwap
公式サイト:https://www.sushi.com/
DEXの特徴
DEXの種類
オーダーブック形式
オーダーブック(取引板)上でユーザーの売買注文をマッチングさせて取引を行う方法です。
CEXもオーダーブック形式になります。
AAM形式(自動マーケットメイカー方式)
不特定多数のユーザーが流動性を提供して取引をアルゴリズムによって自動で行う方法です。
DEXのメリット
取引所の仲介手数料がかからない
CEXでは利用時に一定の仲介手数料がかかりますが、DEXは中央管理者が存在しないので手数料がかからないので、コストを抑えて取引を行えます。
取引所の倒産やハッキングリスクがない
DEXは中央管理者が存在しないので倒産のリスクやユーザー自身が秘密鍵を管理しているためハッキングによる暗号資産(仮想通貨)流失などのリスクがありません。
世界中の方が誰でも自由に利用できる
DEXを利用する際は、本人確認などの登録が不要で簡単に登録できますので、インターネットを使えれば世界中の方が誰でも自由に利用できます。
DEXのデメリット
取引所のサポートが受けられない
CEXはお困りごとがあればお問い合わせ窓口のカスタマーサポートがありますが、DEXは中央管理者が存在しないためカスタマーサポートがありません。
資産管理は自己責任
DEXは暗号資産(仮想通貨)の管理はユーザー自身で行うため、資産管理は全て自己責任になります。
DEXの法整備が整っていない
DEXは法整備が整っていないので、法的なトラブルが発生した際に被害にあった方が損をする可能性があります。
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今回はDEXについてご説明します。
DEXの始まりから現在の状況まで簡潔に説明しておりますので、サクッと内容を理解したい方にオススメです。