
- 1 ブロックチェーンとは
- 2 ブロックチェーンの歴史
- 3 ブロックチェーンの現状
- 4 ブロックチェーンの今後
- 5 ブロックチェーンの特徴
- 6 ブロックチェーンのメリット
- 7 ブロックチェーンのデメリット
ブロックチェーンとは
中央管理者が存在せず複数のコンピューターでデータを共有管理してデータの正当性を担保するデータベースです。
取引データがブロックとなっており、取引データが承認されるとブロックの最後尾に追加され、過去の取引データが一本のチェーンとして記録されます。ブロックがチェーン状に繋がっているためブロックチェーンと呼ばれています。
ブロックチェーンは状況によって枝分かれをすることがあり、これを「フォーク」呼び新しい暗号資産が誕生することがあります。
ビットコインの基盤として考案されインターネットの次なる発明として期待されており、開発者によって特性が異なりますので、様々な用途に応じて活用ができます。
ブロックチェーンの歴史
2008年に「サトシ・ナカモト」と名のる人物が発表した論文「ビットコイン:P2P電子マネーシステム」でビットコインの仕組みとしてビットコインと共にプログラマーやエンジニアを魅了して世界中に広がりました。
ブロックチェーンの進化は大きく3フェーズに分かれており、初期の暗号資産(仮想通貨)のための活用フェーズを「ブロックチェーン1.0」、金融業界の活用フェーズを「ブロックチェーン2.0」、非金融業界の活用フェーズを「ブロックチェーン3.0」と呼ばれています。
2015に誕生したイーサリアムのスマートコントラクト(契約処理の自動化)の技術によりブロックチェーンの活用幅が広がり、スマートコントラクトを活用したDapps(分散型アプリケーション)で金融やゲームなどのサービスの開発が進み、DeFi(分散型金融)でDEX、レンディング、ステーキングなど金融業のサービスが誕生しました。
また金融業界に留まらず非金融業のサービスの活用にも取り組みが始まりました。
このようにブロックチェーンは暗号資産(仮想通貨)の活用目的以外にも金融・ゲーム・医療・不動産・農業など様々な業界での活用が期待されており2015年ごろからブロックチェーン事業の参入企業が増加しました。
国内では2014年にブロックチェーンの技術発展のために「一般社団法人日本価値記録事業者協会(JADA)」が設立され、2016年に「一般社団法人日本ブロックチェーン協会(JBA)」に改名されました。
同年に同じくブロックチェーンの技術の普及促進のために「ブロックチェーン推進協会(BCCC)」が設立され活動団体も増加しました。
2019年にはアメリカの4大大手IT企業のGAFAや中国の4大大手IT企業のBATH、国内ではヤフーや楽天、LINEなど大手IT企業がブロックチェーン事業に参入する動きが加速しました。
2020年
2020年はイーサリアムのブロックチェーンをアップデートするためイーサリアム2.0の実装が開始されました。
イーサリアム2.0はブロックチェーンが抱えている課題を改善するための対策で、コンセンスアルゴリズムのPoWをPoSに移行の計画になります。
またブロックチェーンに別の追加層を構築するレイヤー2の採用も計画もされました。
国内では博報堂やゲームやSNSなどブロックチェーン事業に参入している企業が「一般社団法人ブロックチェーンコンテンツ協会(BCA)」を設立しJBAと合流し窓口が一本化になりました。
2021年
2021年はNFTやDiFi、メタバースブームとなりブロックチェーンの興味・関心がより一層高まり、特に盛り上がりを見せていたのがゲーム業界になります。
「Play to Earn」や「GameFi」など遊んで稼ぐことができるブロックチェーンゲーム、NFTゲームがトレンドとなりました。
NFTはブロックチェーンを活用して発行されており、デジタルデータに価値を付与することが可能となりましたので、ゲーム内のアイテムなどが資産となり売買して稼ぐことができます。
メタバースの注目もブロックチェーンの技術発展に追い風となりました。
メタバースとブロックチェーンの親和性は高く、NFTとの相性も良くNFTによりメタバース(仮想空間)の可能性が広がりました。
またDiFiやNFTの影響でイーサリアムのブロックチェーンが混雑したことでレイヤー2の需要が増加しました。
ブロックチェーンの現状
世界各国でブロックチェーン事業の参入企業が増加しており、金融・製造・物流・医療・エンタメ・不動産・ゲーム・IT業界など様々な業界やサービスに活用される状況になってきています。
ブロックチェーンにも複数種類がありますが企業が活用しているのがエンタープライズブロックチェーンです。
エンタープライズブロックチェーンは特定の企業が中心となって開発し、各種独自の特徴を持っているブロックチェーンです。
代表例ではIBM・R3・Consensys・AWS・Hyperledger Foundationなどの企業や団体が独自のブロックチェーンを企業向けに提供しており、国内の大手企業なども参加しています。
エンタープライズブロックチェーンは中央管理者の企業が単体か複数によって、コンソーシアム型やブライベート型に分けられます。
またイーサリアムやビットコインを始めとする主要の暗号資産(仮想通貨)のスケーラビリティ問題の解決や機能向上をするためにブロックチェーンのレイヤー2の採用や追加構築の実装が広がっています。
大手企業からレイヤー2のブロックチェーンが誕生していますので、ブロックチェーンを通して様々な業界の技術向上や活用が期待されています。
2022年
2022年はWeb3.0が話題となり大手企業の独占状況から中央管理者がいないWeb3.0(分散型インターネット)の時代の流れになり、ブロックチェーンの技術の必要性や注目が高まりました。
またイーサリアムのPoWからPoSに移行が完了しました。
2023年
2023年は8月に海外取引所のCoinbase(コインベース)がレイヤー2の独自ブロックチェーン「Base(ベース)」をローンチしました。
上場企業がブロックチェーンを運営するのは初めてになります。
2024年
2024年は3月にイーサリアムの「Dencun(デンクン)」という大型アップデートが完了しました。
これによりスケーラビリティの向上やレイヤー2の取引手数料が減少されます。
2025年
2025年は1月にソニーのグループ会社がレイヤー2の独自ブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」をローンチしました。
ブロックチェーンの今後
世界的に暗号資産の価値が高まりビットコイン、イーサリアムなど主要の暗号資産を中心にブロックチェーンの課題対策や機能面の向上が期待されます。
既に様々な業界でブロックチェーンの導入が進んでいますが、企業独自のブロックチェーンの開発など今まで以上に暗号資産以外の業界での活用が増加すると思います。
特に近年注目されているWeb3.0関連のサービスの拡大に合わせてブロックチェーンの活用幅も広がります。
また各国が開発を進めているCBDCや生成AI、メタバースなどにもブロックチェーンの技術の活用が期待されていますので、今後もブロックチェーンの技術を向上・応用して各業界に活用することで、様々な革新的なサービスが誕生すると思います。
ブロックチェーンの特徴
ブロックチェーンの種類
パブリックブロックチェーン
中央管理者が存在せず誰でも参加できるブロックチェーンです。
ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)に活用されているケースが多いです。
エンタープライズブロックチェーン
プライベートブロックチェーン
単体の企業や組織の中央管理者が存在しており参加者が限定されているブロックチェーンです。
中央管理者の金融機関や企業の事業に活用されているケースが多いです。
コンソーシアムブロックチェーン
複数の企業や組織の中央管理者が存在しており参加者が限定されているブロックチェーンです。
複数で共同作業している中央管理者の金融機関や企業の事業に活用されているケースが多いです。
ブロックチェーンの構造・階層
レイヤー1
ブロックチェーンの基本層です。
ブロックチェーンの基本的な機能になります。
レイヤー2
ブロックチェーンの追加層です。
レイヤー1に追加構築して機能面をアップデートすることで課題を改善します。
レイヤー2は様々なプロジェクトがあり複数追加することが可能です。
コンセンス・アルゴリズムの種類
PoW
Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク)はビットコインに採用されており、全てのコンセンス・アルゴリズムのベースとなっております。
一番最初に計算を成功した方が報酬として暗号資産(仮想通貨)が貰えますので、高機能なマイニングマシンを大量に用意できると承認率が高くなります。
PoS
Proof of Stake(プルーフ・オブ・ステーク)はアルトコインなどに採用されており、暗号資産(仮想通貨)の保有量が多いほどマイニングの承認率が高くなりますので、投資額が多いほど有利になります。
ブロックチェーンのメリット
データの改ざんが困難
ブロックチェーンの取引データはハッシュ値と呼ばれるもので暗号化されており、過去の取引データのハッシュ値を引き継ぎながら新しいブロックを形成しております。
データを改ざんすると前後のブロックとの適合性が合わず、その他全てのブロックも改ざんする必要が発生しますので、データの改ざんがとても困難です。
透明性が高い
中央管理者が存在しないので、管理者都合にならず参加者全員が公平な立場になります。
また取引データは全て記録されており一部のデータはインターネット上に公開されておりますので、参加者は誰でも確認ができ取引の透明性は高いです。
プライベートやコンソーシアムブロックチェーンの公開範囲は限定されております。
ランニングコストが安い
ブロックチェーンは参加者でデータ処理を行いますので、サーバー負担や管理コストが特定の管理者に集中せず分散され中央管理する場合よりランニングコストが削減できます。
ブロックチェーンのデメリット
データを削除できない
ブロックチェーンは記録された取引データを修正・削除することができません。
改ざんが困難はメリットでもありますが、一方でデータを修正・削除できないなどイレギュラーな対応に処理できない問題もございます。
スケーラビリティ問題がある
ブロックチェーンの利用者が増加すると記録しているデータ量が膨大になり、処理能力に影響が出て承認時間が長くなり手数料が高くなるなど課題があります。
参加者を選定できない
ブロックチェーンは誰でも自由に参加できますので、ハッカーなど悪意があるユーザーを事前に除外することが困難です。
プライベートやコンソーシアムブロックチェーンであれば参加者が限定されるので対応可能です。

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今回はブロックチェーンついてご説明します。
ブロックチェーンの歴史・現状・今後について簡潔に説明しておりますので、サクッと内容を理解したい方にオススメです。