- 1 メタバースの概要
- 2 メタバースの特徴
- 3 メタバースのメリット
- 4 メタバースのデメリット
メタバースの概要
メタバースとは?
インターネット上で構築された仮想空間です。
現実世界や非現実世界などネット上に作られた3D仮想空間をアバターで移動・アイテム購買・会話など日常生活と同じような体験や世界中の方とコミュニケーションを取ることが出来ます。
メタバースの定義は明確には定まっておらず、3D仮想空間をアバターで疑似体験、オンラインゲーム、ブロックチェーンやNFTを活用しているケースなど定義は様々でこれらのサービス全般を指しております。
メタバース(Metaverse)は「超越(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語です。
メタバースの由来は、1992年にアメリカの作家が出版したSF小説「スノウ・クラッシュ」でインターネット上の仮想空間をメタバースと読んだことからきており、その後仮想空間の名所として使われるようになりました。
メタバースの歴史
メタバースというワードは最近耳にするようになりましたが、概念は以前から存在しており言葉の由来は、1992年にアメリカの作家ニール・スティーヴンスンが出版したSF小説「スノウ・クラッシュ」から引用されております。
メタバースのイメージとしては映画「アバター」や「レディ・プレイヤー1」のように3D仮想空間をアバターで疑似体験するのが印象的ですが、世界的オンラインゲームの「マインクラフト」や「フォートナイト」、国内の代表的オンライゲームの「あつまれ どうぶつの森」や「モンスターハンター」など3D仮想空間を個人・複数で遊ぶオンライゲームもメタバースのカテゴリーに含まれますので上記のようなオンラインゲームがメタバースの先駆けとなります。
元祖メタバースとして言われているのが、2003年アメリカでリリースされた「セカンドライフ(Second Life)」というソフトです。
こちら3D仮想空間に自由に街や物を作りアバターで他のユーザーとコミュニケーションを取ることが出来ます。
当時国内でも話題となり一部のユーザーや大手企業などが参入していましたが、当時のPCのスペックやネット速度、参加ハードルの高さなど一般的に広がるには時代が早すぎたこともあり1年ほどで熱が冷めて去りました。
その後PCやスマホなどネットが一般的に普及してオンライゲームやプレイヤーが増加して2011年には「マインクラフト」がリリース、2012年にはブロックチェーンゲーム「ザ・サンドボックス(The Sandbox)」がリリース、2016年には現実世界にデジタル情報を表示する技術AR(拡張現実)を活用した「ポケモンGO」やVRゴーグルを装着して仮想空間を疑似体験できる技術VR(仮想現実)を活用した「PlayStation VR」がリリース、2017年にはフォートナイトがリリースなどオンライゲームやAR・VR技術が上がりメタバースを体験できる機会が増加しました。
さらに同時期暗号資産(仮想通貨)ブームやブロックチェーンなどの技術も加わりメタバースのサービス向上に繋がります。
2020年
2020年には新型ウイルスコロナが世界的に流行してリモートワークの流れができたこともメタバース関連のサービスには追い風となりました。
同年ブロックチェーンゲーム「ディセントラランド(Decentraland)」が一般公開されました。
2021年
2021年10月にはFacebook社がメタバース事業に注力することを発表し社名を「Meta」に変更しました。
これをキッカケにメタバースというワードが一般的に広がり注目を浴びました。
同年Metaはメタバース上のバーチャルオフィスでオンライン会議ができる「ホライゾン・ワークルームズ(Horizon Workrooms)」をリリースしました。
マイクロソフトもメタバース上でコミニュケーションが取れるサービスをリリース予定と発表するなどメタバース参入企業が増加しました。
メタバースの現状
メタバースのブーム以降メタバースへの期待値のみ先行しており現状は実用的なサービスはまだ誕生していない状態です。
メタバース空間が用意できてもメタバースを活用したサービスやイベントが少なく、メタバース空間は自由度が高くても特にやることがない状況で、どのメタバースもユーザーの集客や継続的な利用に苦戦しています。
2022年
2022年には現状主要なメタバースのザ・サンドボックスやディセントラランドが音楽・ファッションなどイベントを多数開催、提携企業も増えてメタバースに土地を購入して実在する店舗建設や理想の都市建設を構想などメタバースの可能性を模索し始めました。
同年国内企業も多数提携しておりコインチャックがザ・サンドボックスとディセントラランド双方の土地を購入して「Oasis TOKYO」・「Oasis KYOTO」という東京や京都をイメージした2035年の近未来の都市を建設することを発表しました。
こちらの都市では様々なイベントの開催や企業ビジネスなどコミュニティの場の提供を目指しております。
エイベックスはザ・サンドボックスにアーティストとファンが交流できる「(仮)エイベックスランド」の構想を発表や、ワーナーも同じくザ・サンドボックスに音楽テーマパーク「Warner Music Group LAND」の構想を発表して2022年8月にOPENしました。
2023年
2023年に入り早くもメタバース事業から撤退する企業が出てきました。
メタバースに参入していた大手企業のマイクロソフトやディズニーはメタバース部門の従業員を大量にレイオフするなど撤退、縮小の発表がありました。
大きな要因としては、メタバース事業は短期的に利益が回収できず維持費など継続することが難しくなったと思われます。
メタバースブームの立役者のMeta(旧:Facebook)も近年損失が続いており数回のフェーズに分けて大規模なレイオフを行いました。
ただMetaのCEOマーク・ザッカーバーグは引き続きメタバース事業は継続することを表明しており、2022年Chat GPTの影響でAIが再注目され、MetaもAI事業にフォーカスすることを表明し同年7月には生成AI「LIama2(ラマツー)」のリリースを行いましが、メタバース事業も長期的視野で並行してコミットしていく方向性であると発言しました。
一方国内ではメタバース事業に前向きな流れが出ており、2023年2月にはJCB・富士通・みずほフィンナンシャルなど大手金融機関や企業10社が連携して「ゲームの力で日本をアップデートする」をコンセプトに、国内のメタバース経済圏を創出するため企業向けオープン・メタバース基盤「リュウグウコク(仮)」構築を発表しました。
また大手携帯キャリアもメタバースサービスを開始しており、ドコモは2022年3月にメタバースサービス「XR World」開始しておりましたが、2023年2月にメタバースサービス「MetaMe(メタミー)」を開始、auは2023年3月にメタバース・Web3サービス「αU(アルファユー)」を開始しました。
このように現状メタバースは、大手企業の撤退もあれば参入してサービススタートや構想段階のフェーズなど多種多様の状況です。
冒頭にお伝えしたようにメタバースの定義が決まっておらず、3D仮想空間を疑似体験する以外もメタバースのカテゴリーにカテゴライズされているので、現状はメタバースでもオンラインゲームの延長線上のようなサービスが多い状況です。
やはりメタバースの理想としては、映画「アバター」や「レディ・プレイヤー1」や「マトリックス」のように3D仮想空間をアバターで疑似体験するなどその世界に完全に没入できることが重要なので、3D仮想空間を作る技術以外にもVRやARなどの技術向上、VRゴーグルなど仮想空間を体験するための機器の向上や開発、通信速度の向上など並行して様々な技術向上が必要なので、それらの準備が整うためにはマーク・ザッカーバーグは発言しているように長期的視野で進めていく必要があると思います。
またメタバースと同時期に話題となったNFTとの相性も良く双方ゲーム業界が主軸になっておりますので、引き続き今後の双方の革新的なサービス誕生に期待します。
メタバースの特徴
メタバースの種類
オンラインゲーム
例:マインクラフト/フォートナイト/あつまれ どうぶつの森
3Dバーチャルオフィス
例:ホライゾン・ワークルームズ
Web3×オンラインゲーム
例:ザ・サンドボックス/ディセントラランド
メタバースのメリット
仮想空間で非日常な体験ができる
現実の日常生活を送りながら好きなタイミングで様々な仮想空間に入り非日常な体験ができます。
物理的制約がなく新しいビジネスモデルが期待できる
仮想空間なので現実世界では障害となる物理的制約がないので現実世界と比較してできることの可能性が広がります。
またそれに伴いメタバースの特性を活かした新しいビジネスモデル誕生に期待できます。
病気や障害などハンディキャップがある方の可能性が広がる
病気や障害などハンディキャップがあり日常生活でできることが制限されている方が、メタバースではアバターを使いハンディキャップに縛られることがなく自身の可能性を広げることができます。
メタバースのデメリット
メタバース用の周辺機器など設備にコストがかかる
メタバースを利用するためにはVRゴーグルなど専用の周辺機器を用意する必要がありますが、現状メタバースの機器の価格設定が高めなので環境設備を整えるためにはコストがかかります。
アバターを乗っ取られ悪用されるリスクがある
SNSのアカウント乗っ取りと同じようにアバターを乗っ取られ本人になりすまし悪用されるリスクがあります。
メタバースの法整備が整っていない
メタバースは法整備が整っていないので、法的なトラブルが発生した際に被害にあった方が損をする可能性があります。
こちらのサイトでは暗号資産(仮想通貨)に関連することを紹介しています。
今回はメタバースについてご説明します。
メタバースの始まりから現在の状況まで簡潔に説明しておりますので、サクッと内容を理解したい方にオススメです。